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LIFESTYLE

「おきゃんてぃーず」の25歳はこの1曲!TRACY CHAPMAN/『Fast Car』

You got a fast car
I want a ticket to anywhere
Maybe we make a deal
Maybe together we can get somewhere
Any place is better
Starting from zero got nothing to lose
Maybe we’ll make something
But me myself I got nothing to prove

あなたにはファースト・カーがある
私は何処へでも行けるチケットが欲しい
取引ができるかもね
一緒にどこかへ行けるかもしれない
何処だってここよりはましよ
ゼロからのスタート、失うものは何もない
たぶん何かを生むこともできる
私1人では証明できるものなんてないけれど

 

刻々と変わる世界情勢の中、みなさんはどうお過ごしでしょうか?

「おきゃんてぃーずの25歳はこの1曲」

 

今回は、第31回グラミー賞で、「最優秀新人賞」「最優秀女性ポップス・ヴォーカル賞」「最優秀コンテンポラリー・フォーク賞」の3部門を獲得し、世界で1,000万枚もの売上げを記録した、「トレイシー・チャップマン」の1988年リリースのファーストアルバムから『Fast Car』をとりあげたいと思います。

 

425-413

80~90年代の境目というのは、アメリカに荒んだ空気が流れていた時代です。

1987年にアメリカ史の中では2番目に大きな株式崩壊が起こったり、さまざまな要因で1990年の湾岸戦争へつながっていくなどなど、先行きが暗い時代でした。

音楽的にはポップでカラフルな80’sを引きずっているものが多かったのですが
そこに飾り気まったくなしの、うつむき加減のアフリカ系アメリカ人の彼女が、
『Fast Car』を引っさげて出てきた時の衝撃は、いきなり本音を突かれたような感覚に近かったと思います。
So I remember when we were driving,driving in your car
Speed so fast It felt like I was drunk
City lights lay out before us
And your arm felt nice wrapped round my shoulder
And I,I had a feeling that I belonged
And I,I had a feeling I could be someone, be someone, be someone

あなたの車でドライブしたことを覚えてるわ
酔ってしまったのかと思うくらいスピードが速くて

街の光が目の前に広がって
私の肩を抱いた貴方の腕が心地よくて
ここが私の場所なんだって感じたわ
そうして感じたの、生まれ変われるかもしれないって

 

 

『Fast Car』の歌詞の内容は社会派です。

「ここ以外だったらどこでもいい。失うものなんてなにもない。コンビニで貯めたなけなしのお金と、アナタの速い車でこの町を出て人生やり直そうよ。この速い車があったらどこへでも行けそうなんだけど…。」

 

この歌の主人公の『私』は、家族を捨てて出ていった母親の代わりに、アル中で無職の父親の面倒を見るために学校を辞めて働いています。そんな『私』の夢はいつか『アナタ』と一緒に町を出て、スーパーのレジ打ちの仕事をみつけること。

『アナタ』もいつか仕事が見つかり、いずれは施設を出て郊外に大きな家を買うこと。

でも『アナタ』は子供と会うより友達と朝までバーで飲みふけってばかり。

二人ならいつか良くなるって信じていたのだけど、いつか良くなるって…。

 

そうして切迫した生活ながら、二人での明るい未来に淡い期待を抱いていた『私』は最後にはこう言い放ちます。

 

You got a fast car
But is it fast enough so you can fly away
You gotta make a decision
You leave tonight or live and die this way

あなたにはファースト・カーがある
でも、飛び去ってしまうくらい速いのかな
『アナタ』は決めなくちゃいけない
今夜ここを発つか、このまま生きながら死ぬか

 

 

ちなみにこの曲はブロンクス出身のヒップホップアーティスト「Nice&Smooth」の1991年リリース『SOMETIMES I RHYME SLOW』で効果的にサンプリングされています。

“SOMETIMES I RHYME SLOW, SOMETIMES I RHYME QUICK”

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という至ってシンプルなサビで「~人生いろんなことがあるよ~」といった感じでしょうか。

セカンドヴァースの SMOOTH Bのライムが素晴らしいので、少しご紹介しますね。

ここでSMOOTH Bは彼女の薬物濫用についてラップしています。同棲していた彼女の体重が徐々に減っているのに気がついたSMOOTH Bは彼女に「お前、コカインでもやってんじゃないだろうな?」と問いただします。
最初は「馬鹿じゃないの、そんなことしていないわよー」と言っていた彼女ですが、後になって「ごめんなさい、実は私やってるの。だからお金がどうしても必要なの」と打ち明けてきます。

それを聞いたSMOOTH Bは「おいおい、待ってくれ。オレはコカイン買う金なんて持ってないぜ。そんなことよりリハビリ施設に入ったらどうだい?」そうして彼女はSMOOTH Bの助言に従い、更生プログラムを受けることになりました。そして18ヶ月後、やっと彼女が帰ってきます。

SMOOTH Bは彼女を迎え入れ、これでハッピーエンド……かと思いきや、”AND NOW SHE’S SNIFFING AGAIN”(そしてまた彼女はコカインを吸いはじめた)というフレーズで終わります。いやはや現実って……。

 

 

Ankaraumutgroupを読んでくれているみなさん、ご存じのとおり、世界には様々な環境で生活をしている人々がいます。時々はこういう曲を取り上げてみるのも良いのではないかと思い、あえて今回は社会派シンガー「トレイシー・チャップマン」に注目してみました。日本に住んでいると当たり前と思っていたことが、世界へ出ると私たちの日常では考えられない人生を送っている人々がいます。人種、宗教、制度などなど、たまたまそこに生まれただけで、あがいても抜け出せない現実の壁が日本よりはるかに高いといいますか……。まあそんなことを言っている僕もそれほどわかってはいませんが、ただ1つ言えるのは「いろんなことにチャレンジできる日本はいい国ですよ。」って日本てなかなかいい国ですよ。

 

今回のテーマは、25歳の貴方には少しへヴィだったかもしれないけれど、どうでしたでしょうか。ちょっと真面目すぎたかな?

 

では、みなさんお体をお大事に

 

ごきげんよう
PROFILE●田邊慎一郎1975年青森市生まれ。エフエム青森にて、類いまれなる音楽知識をもとに「おきゃんてぃーずのおきゃんてぃーぱーてぃ」のDJを担当。(A.K.A.津軽に降りた最期の天使)。大学卒業後カメラマンを目指し、NYや中南米、アジアを放浪後、なぜか料理の道へ入り、味にうるさい女子たちを魅了するシェフへと変貌。現在 にて、オーナーシェフまで担当。

FromVOGUE

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